総会報告

 2018年 第42回定期総会報告
    ★来賓挨拶 小前孝夫さん(大山酪農農協組合長)
★議事  前年度報告・会計報告・新年度予定・新年度予算案・新年度役員・常任委員全て承認されました。
★生産者のお話 酪農家 真山健太郎さんのお話   
 
来賓挨拶 
 第42回食と環境の未来ネット総会、このような盛会に開催されます事を心からお祝いを申し上げます。
 日頃大山乳業の製品をご利用いただき、厚く感謝を申し上げたいと思います。
大山乳業農協組合は昨年70周年を迎え、役員改選の年で、組合長が変わりました。私、第39回の定期総会にもお招きいただき、今回名古屋に来るのは2回目です。
 
小前孝夫さん
(大山酪農農協組合長)
 2013年から続けて、貴会の広報誌「未来ネットだより」をお送りいただいております。一見素朴に見える広報誌でありますが、内容が食品他、いろいろな情報を科学的に検証されて、それを会の皆さまへ良い情報を提供されていらっしゃる。
中でも三世代ファミリー日記は、非常にコミカルな中にも様々なテーマを的確に表現されて伝えておられる。私も、好きなコーナーで、読むのを楽しみにしています。
編集に対して、大変でご苦労も多いんじゃないかと思いますが、ご努力に敬意を表したい。
 より良い食品、良質なものを求められている未来ネットさんと取引させていただいている、わたくしたち大山乳業も光栄に思います。
 生産者も品質管理に日々努めている次第で、後ほど組合生産者の真山からお話させていただきます。
 鳥取県の取り組みを週刊文春(5/17号 ↓)が取り上げてくれました。
 牛の健康診断つまり牛群検定ですが、毎月行っております。これは義務ではないため、都府県によって比率にばらつきがあります。私共鳥取県はなんと100%、つまり鳥取県内全部の牛を検査しているということです。実際には体細胞数を始めとした検査数値も全国平均よりはるかに低く優れているということ。記事中ほどの「牛乳は、牛が快適にかつ健康的に過ごせているかどうか、そして鮮度が大切である」と述べられています。鳥取県内の酪農家の乳はすべて大山乳業が集乳し、システムはしっかり整備をしていて、鮮度についても管理が行きとどいております。
 今後も驕ることなく生産力基盤の強化、また製造管理向上に努めていきたいと思っております。今後もノンホモ牛乳の輪を広げて頂きたいなと思います。
 終わりになりますが、当会が実のある会の発展につながるよう祈念いたしまして、また本日ご出席の皆さまのご健勝をお祈りして、本日のお祝いの言葉と致します。

週刊文春2018年5月17日号の記事
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酪農家のお話 

《真山牧場の取り組み》
僕は真山健太郎と言いまして、両親と妻、子どもなんかも手伝ってくれて、琴浦町というところで酪農を営んでおります。
酪農に興味を持ち始めたのは、20年前の中学生の頃で、 家業を手伝ったのがきっかけで、今までずっと13歳、14歳から毎日牛がいるという環境の中で過ごしてまいりました。
 
酪農家 真山健太郎さん
◆私の牧場◆
 21歳で就農したんですけども、高校を卒業すると同時に北海道の酪農学園大学の短期大学の方に進学して、近くの中田牧場に住み込み、朝昼晩仕事をしながら通学して単位をとりました。卒業後、カナダのジレット牧場というところで1年ちょっと実習という形で生産現場を見させていただいき、何が良くて悪いのか、色々調べて模索しながら、データを基に管理を追求して、自分の牛作り、牛乳作りに反映しています。
◆僕は牛マニア
 自分で言うのもなんですけども、本当に「牛マニア」なんですね。パッと牛の顔を見ると、お父さんからお母さんから、その血統から、全部頭の中に入っていて、牛好きが嵩じて、高校時代からアメリカとかカナダ、北海道なんかに自分が牛を買いに行って、親父もよく高校生に牛を買わせたなと思います。
 現在、地域の同年代の酪農家さん達とか酪農とは別の農業青年会議という、いろんな農産物の生産者の若手が集まった組織があるんですけど、今、そこの会長をさせて頂いています。そこで、地元の酪農や農業の振興に力を注いでいる最中です。

  【牛乳作りの5つの秘訣】  ◆1 遺伝的能力の選定◆

人間も、両親、体型的だったり遺伝的な特徴を、遺伝子を受け継ぐわけですけども、牛も一緒なんですね。僕の牧場では、見た目を重視したら共進会(牛のミスコン)ですけど、見た目はどうだってよくて、一番のこだわりは乳質の方です。
スーパーサイヤーというお父さん牛は大きくもなく、扱い易く、なおかつ健康で長生きで乳質も良いと。31ぐらいのデータがあるんですけど、それと、ウチの牛のデータを見て、考えて交配をする、遺伝的にすごく良質な生乳を搾れるであろう娘牛を残すことに取組んでいます。
乳質はどうでもいいんじゃないかという方もいますが、僕は大山乳業の牛乳って何がいいって、やっぱり乳質が日本で一番いいという自負があるので、そこに一番拘った交配をこれから先も心がけて行きたいと思っております。

  2 子牛の管理について
初乳は抗体がすごく含まれているので、それを飲ませてあげるって事がすごい大事ですけど。ここを粉ミルクだと、免疫が全然足りないんですよ。子牛を採血して調べたら、免疫成分が、初乳だと血液中の8割増しくらいで圧倒的に入っていたので。初乳を飲ませる事で、病気になりにくい健康な状態の子牛を育てる事に繋げております。
初乳をあげるタイミングですけども、生まれてから早くあげればあげる程、小腸での吸収率は高いんです。
産まれて1時間後に初乳をあげた牛、6時間後、12時間後で見た場合、血中の免疫グロブリンの量は1時間後であげたものが圧倒的に高くて、6時間後、12時間後は、その半分位の量しか無かったですね。初乳をあげた後、50時間後を調べてみても、1時間後にあげたものが1番高かったというデータを先日読んで、ここはすごく大事なポイントかなと思っております。
  それで僕は、初乳を、99.9%雑菌を処理できる低温殺菌のパスチャライザーという機械を1回通してから、与えるようにしています。やはり、菌、雑菌が入っているので。一回、メーカーさんと鳥取県の家畜衛生保健所の方と、データを家で取って、追跡調査という形で、子牛から親になるまで調べさせていただいたんですが、やっぱり、これを使った方が、血液検査をしても、いろんな病気も全部陰性になったんですね。だから、親の乳から受け継がれる、いろんな悪いものが全部陰性で出たので、ここ10年ぐらいずっと使わせて頂いています。
実際、僕がデータ取ってやったので、間違いなくいいものである、というふうに自信を持って言えます。 
◆3 牛の飼養管理について◆
やはり食生活というのは人間も牛も共通する部分があるんじゃないのかなと思って、普段からバランスのとれた餌をあげるように、子牛の時には子牛に合った餌、牛乳を搾るようになった時の餌、あとは、妊婦さん用の餌というふうに分けてやっております。
それで、牛に与える餌は大きく分けて二つ。トウモロコシとか牧草といった粗飼料と、ペレット状になっている配合飼料があります。牧草は天気天候や気候、地域性によって同じ品種でもいろんな成分になって出てくることがあるんです。その成分を調べて、1回1回不足しているものを配合飼料で補います。
ウチの場合は出来上がった配合飼料をメーカーから買ってくるわけではなくて、全部、個別に飼料をとって、自分で機械に投入して混ぜるんです。
乾草も一緒で、硬さ、太さの状態を見ながら撹拌器の強さ、速さ、時間を調節し、毎日手作りして給与しています。
◆4 牛舎環境について◆
牛は意外と清潔好きなんで、嫌気臭(アンモニア臭)を嫌います。臭い所は居心地が悪いじゃないですか。人間もですけど。
これがウチの牛舎なんですけども、全部開放されてて、常に新鮮な空気を取込むようにして、常に寒かろうが暑かろうが、空気を流すようにしてます。
牛は人間と比べて寒さに強いということで、だいたい0℃ぐらいは全然平気で、その代わり子牛のほうはもうちょっと暖かくしておるんですけども、人間が寒かろうが暑かろうが牛の為にすべて牛舎を動かしている感じなんで。
牛乳って臭いを吸収しちゃう飲み物らしく、臭かったりするとモロに牛乳の臭いに出てしまう、ということで、臭い対策の掃除を毎日しています。屋根を二重構造にして空気の層をつくって、水も流すという遮熱対策も今行っています。
今の日本て、急激に気温が上がってしまい、牛の毛がなかなか生え変わらず、落ちる前に暑くなるので、自分で牛の毛を全部バリカンで刈ります。汗をかくと夜になって風邪をひいちゃうんで、全部、外につなげて水で洗ったりしています。
牛舎内は通路、ベッド、餌を食べる所、と分けて管理しています。分ける事で、餌を食べている間に他をきれいにして、糞を撤去して、新しい敷き藁を敷く。一日、ベッドメーキングっていうんですが、それを朝晩2回、全部自分が手作業でやっております。こうやって、牛乳の体細胞とか細菌数がすごく減り、牛体をきれいに保つこともできますし、分ける事はすごく重要だと思っています。
通路には、マットを敷き、牛も、下がコンクリートだとストレスがかかって爪が痛いので、月に1回削蹄します。人間でいうとハイヒールで歩いているようなもので、疲れるでしょ。クッション材がある方が牛にとっては快適であろうと、一昨年全面に敷かせていただきました。
◆5 搾乳方法について◆
搾乳方法は一番大事なんじゃないかなって思います。その理由としては、ここで初めて牛乳というものが、牛から搾られて、ここから始まって皆さんの口に入るっていうことなので、すごく気を使っております。
牛が心地よい搾乳といいますか、アメリカで言われてるのが、「TAKEじゃなくてGIVEだぞ」みたいな感じ。わかりますかね?牛が与えてくれるんだぞ、それを搾り取ろうとするなと、「TAKEじゃなくてGIVE」を意識しようと、ずっと言われて来たんです。
牛は乳頭を刺激すると、オキシトシンというホルモンが脳内から分泌されるんです。それは乳頭を刺激してから、だいたい1分半から2分です。なので、ミルカーという搾乳する機械をつけるまで、2分までというふうにウチは徹底して守るようにしております。ミルカーを装着するタイミングが早かったり遅かったりすると、乳量がスッと上がってくれないです。まだほんとに搾れる状態でないんです。だから刺激が足りない。前搾り不足、乳頭刺激が不足しているのでオキシトシンが不足してるんで、もう、いかにスタートからピークの量で搾れるかっていうことをすごく心がけています。
次が、うちで行っている理想的な搾乳手順です。プレ(前)ディッピングと言ってディッピング液という殺菌する液体をつけて前絞り。乳頭清拭では、乳頭は念入りに優しく拭かんと、デリケートな部分なので、上から下に拭くと、上からの菌を下の乳頭の先端に集めることになるんで、横に拭きとって、最後にきれいな部分で、乳頭の先端だけをこすります。
ミルカー着脱のタイミングも非常に大事で、早すぎると搾り残しがあり、遅すぎても搾れない状態でずっと搾られているわけで、痛くて乳頭が荒れてしまい、傷が凄くあるので、適度なタイミングで放してます。ポスト(後)ディッピングをして、普通の生活している場所に戻すという感じで行っています。
今、うちの搾乳手順でやって、使用後のフィルターはほとんどゴミがないのかなと。これ汚くて、目詰まりを起こしていると、ここ全部牛乳が通ってタンクに入っていくんで、それを皆さん、飲みたいと思いますか?僕は絶対飲みたくないですよ。
だから、常にフィルターがきれいな状態であるように、搾乳を行うということを心がけております。
次が搾乳機の圧ですね。数年前にアメリカの方に1週間行きまして、デビッド・リードさんにコンサルティングいただき、勉強して、機械から真空圧、あとはライン、ホースの長さですとかパイプの太さなんかもう全部、あとは離脱のタイミングと、あとは1分間に何回搾るのか、拍動数っていうんですけども、牛の乳頭を傷つけないために、それも全部コンサルティングいただきまして、それで、今ずっとやっているんです。

◆大山乳業の牛乳はなぜ高いか◆
大山乳業の牛の健康診断の受診率100%です。
うちもしっかりと牛群検定をして、あと月に1回専属の獣医さんが家まで来て1頭ごとに健康診断、健康的に飼われているかどうか、というのを診断しています。
価格を下げるのは、生産のコストを削ることに直結するんじゃないかなというのがありまして、牛乳の味へのこだわりを手放すことになるんじゃないかと思って、僕が手を抜いちゃうと、自信を持って、美味しいんで飲んで下さいと、とてもじゃないけど言えないんで、僕は本当にしっかりと自信とプライドを持った牛乳をみなさんに提供できたらなと思っております。
 最後に、皆さんの牛乳に対する知識とか、こだわりへの意識、僕が話すことによって、ちょっと高めて帰って頂けたらなという風に思います。
ご清聴ありがとうございました。


真山健太郎さんの牧場へは、9月研修の訪問先に予定しています。
詳しくは、2018鳥取産地研修要項をご覧ください。


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