第33回定期総会 報告
2009年 5月15日(金) 名古屋市中区役所ホールにて行われた
第33回未来ネット定期総会の報告です。
議   題 ・2008年度 活動報告並びに会計報告
・2008年度 会計監査報告
・2009年度委員、会計監査選出
・2009年度 活動方針案 並びに予算案
・会則改定(会の名称変更)
・生産者のお話(酪農家・ミルクファーム蔵王製造主任)
議事は、つつがなく承認され、来賓のお話の要約を以下に報告します。
 ◇みやぎの酪農農業協同組合組合長 三浦 鉄夫さん   
 ◇ミルクファーム蔵王 代表取締役社長 小峯 誠さん
 ◇ミルクファーム蔵王プレーンヨーグルト製造主任 佐藤達也さん
 ◇酪農家のお話   山家善明(やんべよしあき)さん
みやぎの酪農農業協同組合組合長 三浦 鉄夫さん

三浦 鉄夫さん
食と環境の未来ネット第33回定期総会おめでとうございます。さて我々の酪農情勢ですが、3年程前から飼料、穀物類、燃料が大幅に値上がりし、酪農家の大変苦しい経営が強いられております。経営が継続出来なくて廃業していく方々が3%から4%位だったのですが、昨年度末は6%という高い数字になっています。皆様に安全で美味しい牛乳を届ける為、また安心して牛乳を供給する為にはどうしても最小限の酪農家は残していかないと我々の仕事として成り立たないということから、乳価の値上げ以外対応ができなかったという厳しい状況にあったとういことでございます。
値上げ後の生産と消費の状況ですが、やはり当初心配していました通りかなり落ち込んでおります。無調整牛乳、いわゆる牛乳―搾ったままの乳ですが、その落ち込みが非常に大きくなっておりまして、反対に成分調整乳―牛乳から脂肪等を抜いた牛乳、手を加えた牛乳の消費が昨年の倍以上に伸びているという大変心配される状況が続いております。生乳が利用されるので、生産者にとってはあまり打撃がないだろうと思われがちですが、牛乳から脂肪を抜いた分の脂肪の処理問題もございますし、もう一つ大きな問題は牛乳の味というのはこういうものだということを知らない子どもたちが大人になった時にどうなるのか、「本当の牛乳が継承されないのでは」という心配がございます。味とかダイエットとかの為ではなく、牛乳の値段の為だけにそういう方向にシフトしているという大変厳しい状況にあるわけです。
仔牛というのは乳を飲んだだけで日に1kgずつの体重が増えていきます。いくら飲んでも肥満になる仔牛はいませんし、健康で育つというのが牛乳の特長です。それが皆さんに自信をもってお奨めできる牛乳です。経済行為として水分を抜いたり、カルシウムを追加したりという、天から授かった物に手を加えるという非常に寂しい状況が続いていることに、生産者として不満と焦りを持っている所でございます。
皆様方には一番グレードの高い生乳を生産し、ご利用頂いているという事で大変有難く感謝申し上げ、我々も喜んでいる所でございますが、そういう大きな問題がございまして、色々心配しながら生産に取り組んでいる所でございます。苦しい状況から酪農家は立ち直りつつありますが、どうぞ酪農家を見捨てることなく皆様のお力を持って日本の酪農を、牛乳を安定生産できる形を取って頂きたいと思います。

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ミルクファーム蔵王 代表取締役社長 小峯 誠さん

小峯 誠さん
第33回定期総会の案内を頂きまして誠にありがとうございます。皆様との取引が始まって約15ヶ月になりますが、早々の乳価改定、皆様方より頂戴しておりますプレミアム乳価、今年3月からの改定と、ご理解を賜っていることに対し、深く御礼を申し上げます。
先般、このような質問状・・・「もしこの先、異常な飼料の値上げ若しくはNON-GMの牛乳の生産ができなくなったらどうしましょうか。」を送りました。その返信を紹介させて頂きます。
いつもお世話になっております。NON-GM飼料についての当会の姿勢を再確認させて頂きたいと思います。当会は、GM問題が起きた当初より全国に先駆けて取り組んできた団体です。表示の問題から、安全性審査については、東京まで何度も通って安全が二の次にされて認可されている事を摘発しました。愛知県でのGMイネの研究を撤退に追い込んだり、各地のGMイネの開発反対にも取り組んできました。GMナタネの輸入港周辺での自生問題にも率先して取り組んでいます。取り扱う牛乳の牛の飼料がNON-GMでなくなるとしたら、当会は続けられなくなるか、会員はいなくなります。世界中にNON-GM飼料が全くなくなってしまったら別ですが…。
 みちのくゴーダチーズの見学に行った時にみやぎの酪農の方からNON-GM飼料の数量が減って確保が難しい事をお聞きしましたが、その時点でも国内の自給飼料に早く切り替えていって欲しいとお願いをしました。輸入のNON-GM飼料よりも国内の自給飼料の方が、消費者にとっては望ましい事ですから。幸い、宮城県は飼料米への取り組みも早く、先進的ですから、自給飼料の利用をぜひぜひ取り入れてください。
 牛乳代値上げで、牛乳の消費減少は惨憺たる情況です。この上、マイナス情報が重なる事は組織を持ちこたえられません。NON-GM飼料については、どうか引き続き頑張って下さい。よろしくお願いします」 
 この内容につきまして会社全体で話をしてございます。生産者と消費者の懸け橋となるものが当社の役割であり経営理念でございます。NON-GMの牛乳を通じまして飲んで頂ける皆様と共にこれを守り続けて行きたいと思っております。またこれを守る事が当社の生きる道であろうと云うふうに考えてございます。
NON-GM牛乳の生産と安定と品質には十分配慮し、この地までお届けしたいと考えております。未来ネット様の消費が減る事は我社の経営にも大きく影響いたします。出来れば1本でも多く飲んで頂きたく切にお願いするところでございます。

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ミルクファーム蔵王プレーンヨーグルト製造主任 佐藤達也さん

佐藤達也さん
3年前にこの会社に入りましたが、それまではフリーターをしていました。製造形態は毎週土曜から水曜日までで担当者は2人です。
1日のプレーンヨーグルト製造の流れはタンクの蒸気殺菌、生乳の殺菌保持、充填、発酵、洗浄、製品の酸度測定、冷却です。
蒸気殺菌は毎朝タンクやラインに85℃以上の蒸気で20分間行います。次に生乳を※均質機に通してタンクへと移し、90℃に上げて10分間殺菌保持をします。その後、生乳の温度を43℃±2℃まで下げ、ビフィズス、サーモフィラス、ブルガリクス、アシドフィラスの4種類の混合菌を接種します(以下ミックス)。

※ 均質機は、脂肪の浮上分離防止を目的として、脂肪球を細かくする機械。
タンク内のミックス温度と風味を確認し、シールヒーターの温度及びシールに印字された製造年月日、賞味期限を確認して、充填を開始します。カップ供給機からカップが下に落ちミックスが入り、アルミの内蓋を下ろし、シール付け、印字、外蓋をつけ、金属探知機を通ってコンテナに詰め、発酵室に入れます。温度、量目、印字の確認は発酵の途中でも行い、終了時は量目、製品数を再確認します。
洗浄はアルカリ洗剤で行います。ラインは循環洗浄し、タンクは循環洗浄をした後もう一度手洗いを行います。全てが終わった後、発酵酸度測定を行います。菌を入れて4時間半から5時間で酸度は基準値まで上がります。4時間半で基準値まで上がっていて、なおかつ組織と風味が良好でしたら冷却を開始します。
日々の製造で苦労し気を遣う所は、乳酸菌が活性化する温度帯と生乳や機器の殺菌温度です。さらに乳酸菌以外の菌の増殖をいかに防ぐかということにも気を遣っています。充填機の温度低下は発酵不良の原因になる為、ライン上の製造品を溜めず、速やかに発酵室に入庫します。乳酸菌は接種後2時間で酸度が上がるので、組織不良にならないよう1時間半以内で一回の充填を終了するようにします。充填機のトラブルがあると2時間以上越えますか
ら、日々の保守管理に気を付けています。最後に、プレーンヨーグルトを皆様に
長く愛されていたいと思っていますので、現状の品質に満足する事なく少しでも品
質向上のために努力していきたいと思っています。


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酪農家のお話   山家善明(やんべよしあき)さん

山家善明さん
蔵王の田舎からまいりました、山家と言います。いつもはトラクターに乗って日焼けして牛の世話をして皆さんに美味しいNON-GMの牛乳を飲んで頂く為に頑張っています。昨年はタオルプレゼント・温かい言葉のメッセージを頂き本当にありがとうございました。どんな方々が私達の搾った牛乳を飲んでくれているのかなと、とても胸をときめかせてやってきました。
 酪農をはじめて30年ほどになります。じいちゃんが2〜3頭で始めて俺で三代目です。親父の時代は水田も結構やっていたのですが、家族労働でなかなか難しくて、水田を転作して、粗飼料生産に転換して酪農一本で行こうと進めています。粗飼料だけにして、なるべく輸入飼料に頼らないようにしていかないと酪農はだめかなーと。昨年のように餌が高くなった時にそれで対応できる形だったら良かったのかなと、思っています。
 デントコーン8ha、牧草は転作を含めて三人の共同で20 haほど作付けしています。乳牛は育成と経産牛も混ぜて74頭です。省力化し、二人でやっていて後継者もいないので女房と新婚旅行に行って以来26〜27年間365日家を空けた事がありません。俺は女に縁があるというか、牛74頭全部娘だと思ってるもんですから、それを置いてなかなか出歩けないのかなーということです。今回総会のご招待を受けて、最初はやめようと思ったんですが、幸か不幸か昨年は酪農情勢が厳しくて、うちの近くで酪農を辞めた方がみえて「手伝ってあげるからいってらっしゃい」と言ってくれたので来ることができました。
 NON-GMを始めたのは一年前からです。小峯さんから「お前の親父もミルクファームの役員をやってたんだから、やらなくちゃいけないぞ」と脅迫されまして仕方なくやり始めました。はじめは餌の食いつきも悪くて大変でした。徐々に慣れてきて今ではもうすっかり前の餌のように食い込むようになりました。でも昨年はものすごく厳しい状態だったので失敗したなーと後悔したんですが途中で辞めるわけにはいかないので頑張りました。そういう中で、タオルやメッセージが届いて消費者の方がこんなに喜んでくれてるんだ。それなら、頑張ってNON-GMの牛乳を搾って、俺が想像した美人の奥さん達がいっぱいいる所で飲んでもらえるのならいいのかなと。自分もノンホモ牛乳を飲んだ事がなかったので飲ませてもらったら、バルククーラーからとった牛乳にほとんど変わりない味でした。こんな牛乳を名古屋の人達は飲んでいるからあんな風に嬉しそうな「ありがとう」のメッセージが来るんだなと思いました。名古屋の人だけでなく、全国にNON-GMの牛乳がドンドン広がっていってもらうと嬉しいです。飲んでくれて美味しいと言ってくれる消費者がいて、酪農家もやりがいがある。ここを起点として全国に広まってほしいです。皆さんにこれからも飲んでいただけるように美味しくて安心で安全な牛乳を搾って行くように頑張りますのでよろしくお願いいたします。
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